2018年1月21日(日)

株式市場が促す米企業の改革

2014/10/16付
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 世界の株式市場が不安定さを増してきた。米国では大企業で構成するダウ工業株30種平均の下げ幅が200ドルを超える日も珍しくなくなった。その影響を受ける格好で、日経平均株価は10月に入って7%ほど下げている。

 不安定さの背景には世界経済の急減速への警戒感がある。先週開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、世界経済の下振れリスクに対する認識が共有された。

 世界の景気を敏感に反映する米大企業の業績は、そうした下振れリスクが顕在化しつつあることを強く印象づける。

 たとえば半導体メーカーのマイクロチップ・テクノロジーは中国での不振を理由に、7~9月期の売上高が予想を下回ったもようだと発表した。自動車大手のフォード・モーターは、需要の回復が鈍い欧州で事業の採算改善が遅れるとの見通しを示した。

 しかし、米企業の業績を過度に慎重に受けとめる必要もない。今のところ、主要500社の7~9月期決算は前年同期に比べて4%の増収、6%の増益が見込まれる。株価の下落を市場からの警鐘と受け止め、持続的な成長のために思い切った事業再編を進める企業も少なくない。

 IT(情報技術)大手のヒューレット・パッカードがパソコンとプリンター事業の分離に動くほか、ネット競売大手イーベイは決済会社のペイパルを切り離すことを決めた。金融業ではリーマン・ショック後の再建を急ぐシティグループが、日本や中南米などの個人向け業務から撤退する。

 いずれも中核事業を強化するための再編であり、株式市場の受け止め方も好意的だ。

 日本では主力事業が競争力を失った後もなお、選択と集中を徹底できない企業が多い。株価が不安定ななかで粛々と改革に取り組んでいる米国企業の動きは、グローバル市場で米国勢と戦おうとする日本企業にとって参考とすべき点が多い。

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