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電力提携を成果につなげよ

新しい電力事業の姿を生み出す一歩となることに期待したい。東京電力が火力発電分野での包括提携の相手として、中部電力を優先交渉先とすることを決めた。

2014年度中に両社が折半出資で新会社を設立し、発電用燃料の調達や、古い発電所の建て替えを共同で実施する。

全国を10地域に分ける現在の電力体制の原形は1951年に誕生した。電力最大手の東電と、3位の中部電による地域を越えた提携は電力10社体制に変革を迫る。

東電にとって福島第1原子力発電所の事故処理と福島の復興は最優先事項だが、廃炉や賠償を進めるには資金が必要だ。電力の安定供給を保つ投資も欠かせない。

東電の広瀬直己社長は「提携で東電の企業価値を高め、福島への責任を果たす」と言う。事故処理を進めながら稼ぐ力を高める。難題を両立させる活路として提携に踏み出す選択を評価したい。

16年には電力小売りの全面自由化を控える。中部電が東電との提携で東京湾沿いに大型発電所を持つことができれば潤沢な供給力を確保し、ひいては料金やサービスの競争の活発化が期待できる。

液化天然ガス(LNG)調達での協業も重要である。東電と中部電はLNGの調達量でそれぞれ国内1位と2位だ。調達量の合計は世界最大級の年間4000万トン規模になる。東電と中部電が調達を一本化することで交渉力を高め、燃料費の抑制につなげてほしい。

東電と中部電の提携はエネルギー産業再編の呼び水となる可能性がある。大事なのは「世界で戦うエネルギー企業」(中部電の水野明久社長)へ脱皮する覚悟だ。他の電力会社やガス会社は、東電・中部電陣営にどう立ち向かうのか判断を迫られよう。

東電は12年に実質国有化された。国が東電の背中を押したことが中部電との提携に道筋をつけたのは確かだろう。今後、提携が成果をあげるには企業の活力を十分に生かすことが必要だ。余計な口出しは控えることが望ましい。

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