/

「50歳」を迎えた東海道新幹線

東京、名古屋、大阪を結ぶ日本の大動脈、東海道新幹線が開業してちょうど半世紀を迎える。この間、延べ56億人を運び、現在はピーク時間帯には東京駅から1時間あたり15本が出発するという、通勤電車並みのフル稼働だ。

50年を振り返って、まず評価したいのは、今日まで乗客の死亡事故を1件も起こさず、安全運行を続けてきたことだ。関係者の日々の努力に敬意を表したい。

技術面でも進化した。開通直後は東京―新大阪の所要時間が4時間だったが、車両の改良などを重ねて最短2時間25分に縮めた。

大量の人員を高速で運ぶ新幹線の登場で人の往来が活発化し、それが日本経済の高成長につながった。新幹線誘致の声が今なお各地で強いのも、東海道新幹線の衝撃がそれほど大きかったからだ。

環境性能の向上も見逃せない。開業当時の最初の車両と今の最新車両を比べると、同じ時速220キロで走った時の消費電力は半分に低減した。飛行機や自動車に比べてもともと高い環境性能に、一段と磨きがかかった。

とはいえ、いつの時代も順風満帆だったのではない。巨額の赤字に苦しんだ国鉄時代の末期には値上げの頻発や車両の老朽化で乗客が減少した。1987年の国鉄民営化の成功で、事業主体の東海旅客鉄道(JR東海)が投資余力を回復し、「のぞみ」の導入など魅力向上の手を打ったことで、客足が戻った経緯もある。

インフラの発展には、安定した経営主体の存在が不可欠であることを改めて示したといえる。

東海道新幹線に限らず、高速鉄道全般の課題は耐震性の強化などもう一段の安全性向上だ。インドなど新幹線導入に関心を示す国もあり、海外展開にも期待したい。

JR東海はリニア中央新幹線計画を推進している。さらなる高速化にかける思いは理解するが、巨額の投資が必要な事業であり、失敗すれば会社の屋台骨が揺らぎかねない。経営陣はそれを肝に銘じてほしい。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン