いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる 海老原嗣生著 「日本型雇用」のあり方に一石

2014/9/25付
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(PHP新書・820円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

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キャリアデザインの本格本である。世間で評判の悪い「ホワイトカラーエグゼンプション(残業の適用除外)」は、実は日本人の働き方を、健全な方向に変える可能性をもっていることを著者は説明している。

いうまでもなく日本の長期雇用は、企業側による「自由な配置転換命令権」とセットで成り立っている。あるいは広い配置転換によって能力の向上を図るといってもよい。

それに対して「成長期を過ぎた社員」の「職務限定雇用(配置)」を仕組みとすれば、出世(昇進)は制約されるが、無限の競争からは解き放たれる。もともと課長になれば、エグゼンプションだが、皆がなれないことははっきりしている。

政府関係者は年収1000万円以上などといっているが、問題は年収600万円から800万円前後の「層」である。仕事は熟練しているが、出世の階段からは外れている人たちが多数派だ。

著者は欧米の状況と比較しつつ、家庭生活の犠牲を伴う「日本型雇用」の、部分的見直しの必要性を提唱している。ひねりすぎた書名以外は素晴らしい本。

★★★★★

(福山大学教授 中沢孝夫)

[日本経済新聞夕刊2014年9月24日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる (PHP新書)

著者:海老原 嗣生
出版:PHP研究所
価格:886円(税込み)

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