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高知誘客、官民巻き返し 今夏、台風で観光客減

台風12号や11号などによる8月の豪雨は、高知県の観光産業に大きな損害をもたらした。一部のイベントが中止に追い込まれ、宿泊客のキャンセルも相次いだ。遠のいた客足を呼び戻すため、地元の官民が動き出した。新事業や首都圏での営業強化のほか、県も活性化に向けた緊急対策を検討している。

城西館は着地型観光を強化して誘客に結びつける(高知市)

「県外からの観光客数の目標400万人という看板は絶対に下ろさない」。高知県の尾崎正直知事は8月26日の記者会見で強調した。

夏の豪雨に県内観光業界は振り回された。最大のイベントともいえる「よさこい祭り」は一時開催が危ぶまれ、前夜祭は中止に。交通機関の利用客を基に算定した県外からの入り込み数は、8月27日時点の推計で前年同月比19%減った。

県観光振興部の久保博道部長は「お盆期間の厳しい時期の下落率を8月全体に当てはめたもので、厳しめに見積もっているものの、影響は小さくないはず」と話す。

老舗旅館の城西館(高知市)では8月3~11日に800件の宿泊キャンセルが出た。藤本幸太郎取締役は「過去にない水準」と話す。県旅館ホテル生活衛生同業組合は県内旅館・ホテルのキャンセルによる影響額を1億7千万円と試算する。

町おこしの四万十ドラマ(高知県四万十町)が四万十町で運営する道の駅「四万十とおわ」も影響を受けた。8月の売上高は1700万円と前年に比べ3割落ち込んだ。

各社は顧客を取り戻そうと動き出した。城西館は自社企画のツアーを今月末に大幅に広げる。高知市周辺だけだった行き先を四万十川周辺や室戸市などに広げ、種類も36から50~60に増やす。ほとんど実施してこなかった関東への営業も強化する。藤本取締役は「月1回は旅行会社などを訪ねる。危機感をバネに関東を開拓する」と話す。四万十ドラマは道の駅に併設した加工施設を活用して、新たな弁当や総菜の販売を始める。地元産クリなどを使った「しまんと地栗モンブラン」を本格販売する。

県も観光誘致策に取り組む。9月議会に緊急観光客誘致対策を盛り込んだ予算案を提出する方針で、テレビなどに高知を題材にした紀行番組の制作を働き掛けるほか、旅行会社には雑誌へのタイアップ記事の掲載などを依頼していくという。

観光振興は高知県の重要施策の一つだ。2009年まで300万人台前半だった県外からの入り込み客数は、10年以降は振興策の効果で380万~440万人に伸びた。14年1~7月の入り込み数は史上2番目の水準だった前年並みで推移していた。書き入れ時の豪雨による厳しい状況を脱し、「400万人観光」を維持するためには、官民連携による取り組みがさらに求められる。

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