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法科大学院の立て直しを急げ

今年の司法試験の合格者のうち法科大学院の修了生は1647人だった。前年より282人減り、合格率はいまの制度になって最も低い21.2%に落ち込んだ。

法科大学院離れが加速しかねない事態だ。このままでは法曹界に人材が集まらなくなってしまう。教育機能を高めるなど、法科大学院改革を急ぐ必要がある。

法科大学院は司法改革の目玉として2004年に開校した。当初は74校が乱立し、7~8割と見込んだ司法試験の合格率はここ数年2割台に低迷したまま。受験資格がある3回までの累積合格率も、4割台にとどまっている。

教育の質を維持するためには、法科大学院の統廃合が避けられない。これまでに20校が学生の募集停止を発表しているが、国は適正な地域配置や社会人学生への対応などを考慮しながら、さらに再編を推し進めていくべきである。

そのうえで法科大学院相互の連携や、民間との協力を深めるなどして、法科大学院全体のレベルを高めていかなければならない。

一方で、法科大学院を修了せずに司法試験を受けられる予備試験の人気が高まっている。11年に制度が始まった予備試験を通過して司法試験に合格する人は増え続け、今年は合格者総数1810人のうち9%を占める163人にのぼった。

予備試験は本来、経済的な理由で法科大学院に通えない人などに門戸を開く例外的なコースである。それが「近道」として利用され、大学や法科大学院に在籍しながら受験する人が増えている。

試験による一発勝負ではなく、じっくりと創造力や法的な分析力を養う、という司法改革の理念に逆行する流れといえる。法科大学院在籍中の受験を制限することを検討する必要もあろう。

とはいえ、改革の本筋が法科大学院の機能強化であることを忘れてはならない。法科大学院で学んだことが生かされる司法試験の内容になっているのかどうかも、検証しなくてはならない。

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