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経団連と企業は献金の理由を丁寧に

経団連の榊原定征会長が政治献金への関与を再開し、企業に献金の増額や復活を呼びかける方針を表明した。デフレ脱却を確実なものにし日本を再生させるには、経済界と安倍晋三政権との協力を深める必要があるとしている。

経済界が自らの求める政策の実現をめざし政治への発言力を増したいと考えるのはわかる。肝心なのは献金の透明性だ。

かつての献金とりまとめやあっせんは政界と財界の癒着を招き、政治の腐敗や国民の企業不信につながった。献金は株主や消費者に説明できるものでなければならないことを、経団連や企業は忘れないでほしい。

経済界の政治との関係を振り返ると、この20年あまり一定の距離をおこうとしてきた流れがある。1993年、経団連はゼネコン汚職などを背景に、業界ごとに献金額を割り当てる「あっせん方式」を廃止した。献金は企業の判断にゆだね、経団連は「呼びかけ」にとどめることとした。民主党に政権が交代した09年からは政治献金への関与自体をやめていた。

国民の目を意識して「企業献金は廃止し個人献金や政党交付金で政治資金をまかなうべきだ」とする企業もある。経団連が献金への関与を再開するなら、政党の政策をどのような理由でどう評価するか、説明が求められる。

榊原会長は野党も含め政策を評価し、何らかの形で会員企業に示すことを検討するとしている。具体化を急ぐべきだ。

特定の政党の政策が経済活性化につながるとなぜ判断したのか、など、支持の根拠を明確にすることが重要になる。献金について実際に判断する企業も、株主などへの説明責任を問われる。

企業献金は政治と企業がもたれ合う関係を生み、かえって日本の産業の競争力低下を招きかねないとの指摘もある。政治との距離の取り方を、経営者も十分に考えなければならない。

政党や政治資金団体に、受け取った献金の使い方を明らかにするよう求めることも、資金の出し手としての責務だろう。

米倉弘昌前会長の時にぎくしゃくした政権との関係を榊原会長が修復しようとするのは当然だ。しかし関係強化を追求するあまり、政治献金をめぐって企業が消費者や投資家から不信感を買えば、経済再生はむしろ遠のく。丁寧な説明を望みたい。

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