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春秋

デフォルト騒動に揺れるアルゼンチンを訪ねる機会があった。預金者が銀行に長蛇の列をつくり、デモ行進と失業者が街中にあふれ、ブエノスアイレスは緊迫に包まれている……。そんな光景を想像して身構えていたが、真実はその逆だった。実にのどかな空気である。

▼ところ変われば、善悪の物差しも変わる。この国では貪欲な米国のハゲタカ・ファンドが悪者で、自分たちは被害者である。債務不履行?冗談じゃない。債務再編に応じた93%の債権者には、きちっと返済しているではないか。ゴネ得で一獲千金を狙う連中など懲らしめてやるべきだ。当局者からそんな答えが返ってきた。

▼その誇り高きタンゴの国で、新種の恐竜の化石が見つかった。ゾウ12頭分という大きさに、研究者は腰を抜かしたという。地球上で動物がどこまで巨大になりうるのか。既成概念を塗り替えるほどの発見だそうだ。8千万年前の太古の地上では生を謳歌したが、環境の変化で洪水が起こり、泥沼にはまって絶滅したらしい。

▼洗練された文化と世界一おいしいとされる牛肉。豊かな穀物に恵まれ、シェールガスまである。鎖国しても生存できるという余裕なのか。アルゼンチンは外からの批判を気にする風でもない。デフォルト騒動が収束したとしても、世界経済の現実に気づかなければ、化石が発見された巨大恐竜と同じ運命をたどりかねない。

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