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春秋

東京大学の入試では0.0001点の差で運命が分かれることがある。センター試験の成績を圧縮して2次試験と合計するから、小数点以下の世界に当落すれすれの秀才英才がひしめくのだ。ちなみに今春の文科1類(前期)の合格最低点は332.7444点である。

▼ということは332.7443点の受験生は涙をのんだことになる。そこには究極の公平さがあるが、人間の能力をみるモノサシとしてはいささか安易だろう。そんな声を背に、昨今は入試改革の動きが慌ただしい。センター試験に代わる「達成度テスト」では受験機会を複数化し、成績は段階別の表示にとどめるそうだ。

▼くだんの東大も2016年度から推薦入試枠を設けるというから、多様な尺度でおもしろい学生を見いだす動きは本物かもしれない。もっともその一方で、文部科学省の全国学力テストをめぐる各地の一喜一憂ぶりなど昔ながらの風景である。今年から学校別の成績公表も可能になっただけに点取り競争が激化しかねない。

▼ペーパーテストの成績は子どもの能力の大きな指標だが、決してそれがすべてではない。当たり前の事実に気づいて大学入試改革は進むけれど、点数なるものへの世の中の意識にはなかなかしぶといものがある。こんどの学力テストの正答率はA校よりB校が0.0001%リード、などという話が出てこなければいいが。

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