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春秋

四季のそれぞれ終わりの18日間を土用という。ふつう、立秋までの夏土用を指す。季節のめぐる日本らしく、この変わり目をとらえた言葉は多い。土用干しは衣類や本に風を通して虫がつくのを防ぐこと。土用掃きは大掃除。何かに区切りをつける様子が伝わってくる。

▼将来に備えるという意味が込められているのが土用芝居だ。江戸時代の歌舞伎はこの時期、主だった役者は休み、若手がけいこを兼ねた安芝居を打った。いずれ舞台で中心的な立場になる時のために、自らを鍛錬する。土用という季節と季節の合間は、時の流れに押し流されず、新しい環境への準備をする機会なのだろう。

▼きょうは土用の丑(うし)の日。この日に滋養のあるものを食べる習慣には、困難に直面しても元気に克服できるようにとの願いがありそうだ。ウリやうどんなど「う」のつくものが食されてきた。ウナギ人気は江戸中期から。売れずに困っている鰻(うなぎ)屋に平賀源内が、「本日丑の日」の貼り紙をするよう助言したのが始まりという。

▼その食文化に暗雲が漂っている。日本を中心としたアジア地域に生息するニホンウナギは絶滅の恐れがあると、世界の科学者らでつくる国際自然保護連合から警鐘を鳴らされている。ウナギの資源保護を、本気で考えなければならない時だろう。英気を養って、環境の変化をしなやかに乗り切る土用の伝統を残すためにも。

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