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カジノ解禁のマイナス面 十分に検証を

カジノの合法化に向けた動きが進んでいる。議員立法によって提出されたカジノ解禁法案が今秋の臨時国会で成立する可能性があり、各地の自治体もカジノ施設の誘致に名乗りを上げている。

推進派は、経済の活性化や外国人観光客の増加に期待をかける。政府は法案の成立を見越して内閣官房に新しい組織をつくり、2020年の東京五輪に間に合うよう、具体案の検討を始める。

だがカジノはギャンブルへの依存をはじめ、青少年への悪影響、反社会的勢力の暗躍、マネーロンダリング(資金洗浄)の懸念など、様々な負の側面を抱えている。国民の間にも強い反対の声や拒否反応がある。

国や自治体は前のめりになっていないだろうか。社会に影響を与える懸念があるカジノの解禁を、拙速に進めるようなことがあってはならない。マイナス面を十分検証したうえで、幅広く意見を聴いて議論を尽くすべきだ。

カジノを開くことは、刑法の賭博罪にあたる。そこでカジノ法案は指定された地域に限ってカジノを合法化し、ホテル、娯楽・商業施設、国際会議場などと組み合わせた統合型リゾート施設の整備を目指そうとしている。

法案は昨年12月に自民、日本維新の会、生活の3党が提出した。会期末に審議入りし、秋の臨時国会の焦点になりそうだ。

高齢化や人口減に悩む地方の自治体などが、カジノの誘致を疲弊した経済を立て直す起爆剤にしたいという思いは理解できる。新たな観光客が訪れ、地元の雇用が増えるという側面はあるだろう。

ただ、日本にはすでに競馬や競輪などの公営ギャンブルに加え、パチンコ店なども身近にある。厚生労働省の調査では、日本のギャンブル依存者の割合は諸外国に比べて高い。実際にギャンブルで多重債務や家庭崩壊に追い込まれる人は少なくない。

カジノの解禁は、こうした傾向をさらに強める心配がある。賭博依存への対応に支払う社会的、経済的コストは大きい。推進派の構想では、カジノの収益の一部を依存症の対策にあてるというが、本末転倒ではないだろうか。

韓国やシンガポールのカジノでは、利用を外国人に限ったり、家族の申請を受けて入場の禁止措置をとるような制度がある。こうした実態も詳しく調べて公表し、議論を深めていく必要があろう。

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