「カバードコール」型の残高急増 高めの分配金へ期待
投信番付

2014/7/24付
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「カバードコール」と呼ぶ運用戦略を活用した投資信託への資金流入が目立っている。6月末の純資産残高の合計額は2兆6000億円近くに拡大している。

カバードコールではオプションという金融派生商品(デリバティブ)を使う。株式や通貨などを保有しつつ、同時にその資産のコールオプション(あらかじめ決められた価格で買う権利)を売る。株式や通貨で一定水準以上の値上がり益をあきらめる代わりに、オプション料を受け取るという投資戦略である。

オプション料の収入が保有資産の配当収益等に加わることで比較的高めのインカムゲインを期待できる。半面、市場で株価などが大きく上げても、運用成績の上昇余地が少なくなる。

投資家の人気が集まる背景には、高めの分配金への期待がある。また、先進国の株式相場が大きく上げ、主要国通貨も対円相場で上昇した2013年と異なり、「相場は上昇基調だが、ここからの上値は限定的」との見通しを持った投資家の資金が流入している。

カバードコール戦略型ファンドの投資対象は、株式や不動産投資信託(REIT)、通貨など幅広い。純資産残高の1位は「ダイワ米国株ストラテジーα ブラジル・レアル・コース」は米国株式を投資対象とするが、保有資産の収益、オプション料に加えて、為替取引のプレミアム(為替取引国間の短期金利差相当)の上乗せも狙う。

こうした「通貨選択型タイプのカバードコール戦略型ファンド」は同ファンドのほか、純資産上位10ファンド中5本を占めた。

今年に入り、先進国の株式相場や対円相場で主要国通貨の上値が重かったことが奏功し、多くのカバードコール戦略型ファンドは安定した成績を収めている。一方、相場が大きく下落する局面では、オプション料の収入による値下がり損の軽減効果はあるものの、基準価額は下がることがあるので注意が必要である。

(QBRチーフファンドアナリスト 清家武)

[日本経済新聞夕刊7月24日付]

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