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あしたから出版社 島田潤一郎著

会社設立の舞台裏描く

(晶文社・1500円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

夏葉社。

著者の島田潤一郎さんがひとりでやっている出版社だ。島田さんがこの会社をスタートさせたのが、2009年9月。最初の本は、バーナード・マラマッドの『レンブラントの帽子』、復刻版だった。訳者は、小島信夫、浜本武雄、井上謙治。装丁、和田誠。巻末のエッセイを荒川洋治が書いている。

名もない小さな出版社の最初の本として、すこぶる贅沢(ぜいたく)だ。ただ、私が最初に買ったのはこの本ではなく、2冊目の、関口良雄『昔日の客』という本だった。ツイッター経由で知った。

それからポツリポツリと島田さんは本を作ってきた。派手な話題になる本ではけっしてない。だが、作り手の視線を感じさせる本だ。

たったひとりで出版社をやってこれだけ面白い本が作れるのだから、趣味のいい、生活に困窮していない人なのだろうと想像していた。

まるで違った。30歳まで挫折の連続だった。大切な従兄をなくした。彼と彼の両親のために、島田さんは出したい本があった。そのために出版社を興したのだった。

心揺さぶられる文章。島田潤一郎と夏葉社、要注目。

★★★★

(批評家 陣野俊史)

[日本経済新聞夕刊2014年7月23日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

あしたから出版社 (就職しないで生きるには21)

著者:島田 潤一郎
出版:晶文社
価格:1,620円(税込み)

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