2018年1月19日(金)

春秋

2014/7/17付
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 笛や太鼓の音が風に乗って届くと、条件反射のように、そわそわした気分になる。見慣れた地元の神社の境内が特別な空間に生まれ変わる。日ごろとは違う空気が漂い、人混みに近づくにつれて自然に足が速まっていく。不思議な人間の習性を引き出すのが祭りである。

▼京都では、祇園祭がきょう前半の頂点を迎える。きらびやかな山鉾(やまほこ)が市の中央を巡り、伝来の儀式が要所要所で執り行われる。観光なら見物だけでも楽しいが、祭りだと思えば見られる側になってハジけてもみたい。ところが千年以上の歴史のある神事は男が中心であるらしい。女性が乗ってはいけない禁制の山鉾もある。

▼伝統を超えた祭りもある。この春に大阪で開いたイベント「日本女子博覧会」には3万人が集まったという。目玉の出し物があるわけではない。メーク体験をし、占いを試し、から揚げを食べ、ライブを聴く。そこに行けば楽しいという期待が人を呼ぶに違いない。思えば女性が主役の祭りは、日本に少ないのではないか。

▼知能が高く社会生活を営む動物は多いが、祭りのような行動をするのは人類だけだそうだ。日常たまった疲れやよどみを、非日常の舞台で放電してリセットする。大波小波のリズムに乗り、上手に生きるための仕掛けが祭りかもしれない。そういえば、そろそろ夏のバーゲンの季節。祭りに加わり消費に貢献すべきか……。

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