2019年4月23日(火)

春秋

2014/7/13付
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「賞味期限 わたしもチョコも 崖っぷち」。すこし前に、こんな自虐的な川柳があった。あのタレントはもう賞味期限が過ぎてるよ……。こういう俗な言い方も、ある時期から世に広がった。加工食品に賞味期限表示が導入されたのは1995年、それ以来のことだ。

▼製造年月日だけの表示に比べ、消費者に親切なのは確かだろう。しかし本来は「おいしく食べられる期限」なのに、これを過ぎたらもうダメ、みたいに誤認されてもいる。「賞味」なる言葉の曖昧さと、日本人の潔癖症がもたらす現象かもしれない。冷蔵庫の奥にチーズを発見したのにああ1日遅かった、などと嘆くのだ。

▼だったらあまりに厳密な「年月日」表示をやめて「年月」にとどめておこう――という動きが出てきたのはもっともな話である。大手メーカー各社は、カップスープや調味料といった賞味期限が1年以上の食品の表示を来年から切り替えるそうだ。すでにミネラルウオーターや缶コーヒーで「年月」への転換は進んでいる。

▼まだ食べられるのに捨てられる食料は、年間500万~900万トンにのぼるという。この膨大なムダを減らすのに表示改革は効果を発揮しそうだが、肝心なのは判断力のある、賢い消費者になることだろう。そういえば賞味期限導入のころの川柳に「父さんの お腹で試す 賞味期限」。まあこれは勘弁してほしいけれど。

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