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春秋

人質を取って立てこもるという事件が、ときどき起きる。警察はなだめすかして犯人の説得に努め、多少の差し入れなどもしてやって粘り強くじっくり敵と向き合うわけだ。ところがそういうやり取りのさなかにも、威嚇のためなのか銃をぶっ放す手合いが少なくない。

▼北朝鮮がきのうまた、日本海に向けて弾道ミサイル2発を発射してみせたのもそのたぐいだろうか。拉致問題などを再調査するという委員会設置と引き換えに日本が独自制裁の一部を解除し、いずれ最初の報告が……と注目が集まるなかでの愚行だ。弾道ミサイル発射は6月末にもあった。国連決議などどこ吹く風である。

▼代替わりしているといっても、自ら繰り広げた日本人拉致を「再調査」とは本来おかしな話だがそこは目をつぶるとしよう。だからせめて一意専心、この機会に洗いざらい明かして被害者を戻すのが人道にほかなるまい。しかしこうした振る舞いを見るにつけ、やはりこの国は異様な独裁者の統べる王朝との感を深くする。

▼ウソをつきはしないか、情報を小出しにしないか、今後の出方にもよほどの用心がいるだろう。国家間の協議というより、これは人質をたてに、ときに銃声を響かせて周囲を脅す者たちとの際どい交渉である。拉致被害者は政府認定の12人だけでなく、相当な数にのぼるに違いない。そんな闇を抱えた相手との闘いである。

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