2019年3月26日(火)

春秋

2014/7/6付
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自らの誤りに気づいたら、すぐ改める。まわりの状況が変わったなら、思い切った軌道修正をする。そうした意味の「君子は豹変す(ひょうへん)」は、古代中国の周代にできあがったとされる書が原典になっている。五経の筆頭に挙げられ森羅万象は移り変わるものだと説く易経だ。

▼易経には伝説上の帝王の黄帝や尭(ぎょう)、舜(しゅん)について、こう触れているくだりがある。彼らは王位に就くと、物事に変化をもたらし、人々が暮らしに飽きないようにした。しかも変化を無理なく、喜んで受け入れられるように――。性急な改革は社会に摩擦を生みやすい。それを防ぐための上に立つ者への戒めなのかもしれない。

▼現代の中国でも、急速な経済発展の裏側で起きているきしみを抑えようと、政府は懸命だ。格差拡大への不満を和らげるため、この地域では少なくともこれだけはもらえるという最低賃金を引き上げる動きが拡大。企業に、雇用の不安定な派遣労働者の割合が10%を超えてはならないとした規定も今春から設けられている。

▼労働規制の強化は外資などの企業が国外に出ていくリスクもある。当局の目が届かない「影の銀行」や地方政府の債務の膨張問題も抱え、中国経済はどこへ向かうのか。社会にあつれきを起こさない配慮をしながら、「君子豹変」のような改革で国を成長に導くことは、簡単ではなさそうだ。易経にヒントはあるだろうか。

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