春秋

2014/6/25付
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フォード、バイエル、シーメンス、タタ……。人名を冠した企業は世界に数多い。おおむね、創業者の名前に由来しているようだ。わが国も例外ではない。トヨタ自動車、ホンダ、伊藤忠商事、野村証券、などと、指を折って例をあげていると、すぐに両手がふさがる。

▼ユニークなひねりを加える場合がある。有名なのはブリヂストンだろう。創業家の名字「石橋」を、まず英語で読み替え「ストーン・ブリッジ」。上下をひっくり返してブリヂストンにした、と聞く。サントリーも、そうした「ひねり」のきいた社名だ。創業家の「鳥井」の上に太陽を意味する「サン」をつけたのだとか。

▼一般に、創業者が亡くなって時間がたてばたつほど創業家の影響力は弱まる。特に大企業では、経営が複雑になると創業家以外に人材を求めざるを得なくなる。この点でもサントリーはユニークといえるだろう。売上高は2兆円を超え、創業から120年になろうというのに、トップの座を常に創業家の人材が占めてきた。

▼そのサントリーが次期社長に新浪剛史ローソン会長を迎え入れる方針という。創業家の外からの起用は、もちろん初めてだ。これまで日本企業でよくみられた、社内の「生え抜き」からの選抜でもない。いきなり、他社で実績をあげた経営者を招く格好だ。日本の企業文化に、新しい風が激しく吹き始めたようにもみえる。

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