2018年1月20日(土)

電力自由化は改革の出発点だ

2014/6/15付
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 電力小売りを全面自由化する改正電気事業法が国会で成立した。現在はそれぞれの地域の電力会社からしか電気を買えない一般家庭も、2016年からは自由に電力会社を選べるようになる。

 全国を10地域に分ける現在の電力市場の原型が1951年に誕生して以来、65年ぶりの転機である。多様な事業者がサービスや料金を競う新たな電力事業の出発点にしなければならない。

 都市ガスや通信など、電力会社以外の企業が電力供給への参入準備を始めている。電気とガス、電気と携帯電話のセット販売など、新たな供給の担い手が従来の考えにとらわれず、多様なサービスを生み出すことに期待したい。

 地域独占に守られてきた電力会社も、消費者に選ばれる経営への転換が迫られる。中部電力は首都圏で電力供給を始めた。東京電力は子会社を通じて、関西圏や中部圏で電力を販売する。業態や営業地域の壁を超えた競争をためらっている余裕はない。

 ただし、電力は社会や産業を支える重要なインフラである。多様な事業者がつくる電気が送電網に流れ込んでも、安定供給を保つ万全の対策が欠かせない。

 新たな事業者が参入しやすく、電力会社と同じ条件で競争できる環境を整えることも重要だ。自由化しても実際には競争が進まず、消費者が既存の電力会社から買わざるを得ない「規制なき独占」に陥ることがあってはならない。

 参入した事業者が販売用電力を確保する卸電力市場を利用しやすくするなど、競争を促す制度設計と適切な運用が大切だ。大都市だけで競争が進み、地方や離島との間で電気料金に極端な差が生じないようにする目配りも必要だ。

 電力改革はこれで完成ではない。政府は全面自由化に続き、18~20年をめどに電力会社の発電部門と送配電部門を分離し、すべての事業者が送電網を公平に使えるようにする方針だ。発送電分離の課題を検証しつつ、改革を着実に仕上げていく必要がある。

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