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法人減税に続き歳出削減にも取り組め

政府は法人実効税率をいまの35.64%(東京都の場合)から数年で20%台まで引き下げる方針だ。経済財政諮問会議がまとめた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の素案に盛り込んだ。

わたしたちはアジアや欧州の主要国と比べて高い税率を引き下げ、日本経済の活性化につなげるべきだと主張してきた。今回の方針は日本の法人税を国際標準に近づける一歩として歓迎したい。

法人税率下げによる税収への影響は考慮する必要がある。そのために課税範囲を拡大するのは当然だが、「代替財源ありき」というかたくなな税の論理だけで議論されるのも困る。

政府は歳出削減で浮いたお金も財源として使いながら、法人税率を引き下げていく道筋をしっかりと固めてほしい。残念ながら、いまのところ歳出削減・抑制のための努力が決定的に足りない。

骨太の方針の素案が、医療費の伸びを抑えるための目標設定や、医薬品の公定価格である薬価の見直しなど、社会保障費の抑制策のいくつかを示したのは妥当だ。しかし、ひとつひとつは小粒で、全体として切り込みが足りない。

また、公共事業や地方財政などの歳出分野では「重点化」「効率化」「メリハリ」といった言葉ばかりが躍り、具体策に乏しい。

日本経済の最大の課題は、持続的な経済成長と財政再建の両立だ。国・地方をあわせた基礎的財政収支について、赤字の対国内総生産(GDP)比率を2015年度までに10年度比で半減し、20年度までに黒字にする目標を堅持したのは当然だ。

問題は、歳出の削減・抑制策を十分に検討せず、財政健全化の行程を示せずにいることだ。素案は「20年度の基礎的財政収支の黒字化に向けて具体的な道筋を早期に明らかにできるよう検討」するとしているが、先送りを前提にした言い方で「骨太」の名が泣く。

今年4月の消費増税を受け、4~6月期の実質経済成長率はマイナスになると予想されている。予定どおり来年10月から消費税率を10%へと引きあげられるか不透明な部分があるのも事実だろう。

だが、諮問会議が今から歳出削減・抑制に尻込みしていては、15年度予算でも膨張に歯止めをかけられないだろう。マクロ経済政策の司令塔としての自覚を持ち、岩盤のような歳出に思い切ってメスをいれていくときだ。

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