2019年1月20日(日)

黄金の旅路 石田敏徳著 馬語る人々の飾らぬ魅力

2014/6/6付
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(講談社・1300円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

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馬は馬。人は人だ。でも人は馬を前にして、よき人となる。わずらわしい人間関係が馬の脇によけられるからだ。

屈指の種牡馬、ステイゴールドをめぐる専門性の高い物語なのに、馬よりも馬を語る人の飾らぬ魅力に引っ張られる。

「肉体的にはちょっと水っぽいというか」「ある程度の馬格があって、お尻もあって」「分からないからこそ、競馬が成り立つともいえるんだ」。厩舎に憑(つ)かれた者ならではのありきたりでない表現が心地よい。馬は言葉も研ぐのだ。

競走馬ステイゴールドには勝負弱さも目についた。「種」のあるじとしても評価を得られぬままスタートを切りながら、際立つスタリオンへ。どこか「塞翁が馬」のおもむきもある。それを表のストーリーとするなら、裏にあるのは「愛」だ。競馬、いや馬と馬に生きる人間が好きで好きでたまらぬライターが書いている。ほとばしるようにキーボードを叩(たた)く様子が浮かんでくる。だから馬券とは無縁の読者でも退屈にならずにすむ。

血筋の配合というミもフタもない現実が、幻のごとき夢へと人々を駆り立てる。これは血の通った血の一冊である。

★★★★

(スポーツライター 藤島大)

[日本経済新聞夕刊2014年6月4日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

黄金の旅路 人智を超えた馬・ステイゴールドの物語

著者:石田 敏徳
出版:講談社
価格:1,404円(税込み)

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