2019年2月23日(土)

インドの次期政権は経済改革を大胆に

2014/5/18付
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インドの総選挙で最大野党の人民党(BJP)が大勝し、10年ぶりに政権を担うことになった。多数の政党が乱立する同国で、一つの政党が下院の過半数を制したのは30年ぶりだ。近年の経済停滞の打破を望む国民の期待が表れたといえる。それに応え大胆に改革を進めてほしい。

シン政権の最大与党、国民会議派は議席が4分の1以下に減り、歴史的な大敗を喫した。シン政権は国営企業の民営化や外資へのサービス分野の開放といった経済改革に大きく踏み込めず、インフラ整備でもスピード感を欠いた。

近年、インドの景気は失速し、一時は年率10%前後を記録していた実質経済成長率は昨年、4%台にとどまった。シン首相が保守的な与党の抵抗を突破できなかったため、との見方は強い。

次期首相にはBJPの選挙戦を指揮したナレンドラ・モディ氏(63)が就く。西部のグジャラート州で2001年から州首相をつとめてきた同氏は、強いリーダーシップで電力網などインフラの整備を進めた。外資誘致でも実績をあげ、同州はインドで指折りの高い経済成長を遂げた。

シン首相と違い、保守的な勢力の抵抗を打破できるのではないか。そんなモディ氏の指導力への期待が、BJP大勝の一因だ。

外交・安全保障の面では、強硬な路線に傾く懸念が指摘されている。BJPは前回の政権担当時に核実験を断行した経緯もあり、核政策は注視が必要だ。

内政ではヒンズー教徒とイスラム教徒の対立激化を心配する声がある。02年にグジャラート州で多数のイスラム教徒が虐殺された事件は、州首相のモディ氏が黙認したともいわれる。米国政府は同氏への査証(ビザ)発給を停止している。「世界最大の民主主義国」の指導者として、少数勢力にも配慮する姿勢を求めたい。

インドが力強い成長軌道に復帰すれば、日本企業に大きなチャンスとなる。アジアの安定を保っていくうえでも、インドは日本の大切なパートナーだ。

日本政府は親日家とされるモディ氏をはじめ次期政権とのパイプを早急に確立し、経済改革を後押ししていかなくてはならない。日本が支援するデリー―ムンバイ間の産業大動脈構想の進展を促すためにも、連携強化は欠かせない。核政策や内政が過激にならないよう注文をつけていく必要もある。

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