春秋

2014/5/12付
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「レリゴー、レリゴー」。街や家で子供や女性たちが口ずさむ。元はヒット中のディズニー映画「アナと雪の女王」。主人公の一人が自分らしく生きようと決め「Let it go」と歌い上げる。これでいいの、という意味合いの英語が耳にレリゴーと残るわけだ。

▼ディズニーが長編アニメを作り始めて80年。53作目のこの作品には、2つの「初めて」があるという。ヒロインが2人いることと、監督に女性を起用したことだ。舞台は王族が国をつかさどる昔の欧州。しかし製作者は「王子様の愛を待ち焦がれるお姫様ではなく、現代風の、とても強い女性を描きたかった」と振り返る。

▼地味で弱い女性が、力や地位のある男性に選ばれハッピーエンドへ。そんな物語の代表格ともいえる童話「シンデレラ」をディズニーがアニメ化して60年余り。今回の作品でも、女性同士が助け合う点などを喜ばない向きもあったと監督は語る。しかし「偶像化された過去のお姫様」は参考にせずヒロインを描いたそうだ。

▼製作者は監督に女性を選んだ理由を、能力や情熱に加えて「女性の視点が非常に大事」な作品だから、とも説明している。狙いは当たり、世界でも日本でもヒット。国境を越えて「レリゴー」が広がる。王子様と結婚すればメデタシメデタシじゃない。人生を切り開くのは自分自身。そうした共感を含んだ歌声にも感じる。

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