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TPP、日米合意先送り 「前進の道筋」は確認

全体交渉に影響必至

日米共同声明について記者の質問に答える安倍首相(25日午前、首相官邸)

環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米協議は25日午前、大筋合意に至らないまま今回の交渉を終えた。日米両政府はTPPの協議結果や24日の日米首脳会談の合意内容を盛り込んだ共同声明を発表した。TPPは「重要課題について前進する道筋を特定した」と強調。安全保障では、沖縄県・尖閣諸島が日米安全保障条約に基づく米国の防衛義務の対象であると明記した。

日米両政府は貿易や投資の自由化を目指すTPPの協議がまとまらなかったため、24日の首脳会談後も共同声明を公表しない異例の対応をとっていた。TPP協議は24日午後から25日未明にかけて閣僚級や事務方で続けたが、豚肉など農産品にかける関税や自動車分野での溝が埋まらず、大筋での合意にはたどり着けなかった。TPP参加国の中心である日米の協議停滞で、交渉全体の遅れも不可避となった。

25日午前、甘利明経済財政・再生相は都内の内閣府庁舎で記者団に対し、「日米間の重要な懸案について道筋を確認した」と述べた。協議の状況については「もちろん進捗はあった」としながらも「大筋合意というわけではない」と説明。米国と折り合いがつかなかったことを認めた。

甘利氏と米通商代表部(USTR)のフロマン代表は両国首脳の指示を受け、首脳会談後の24日午後に閣僚協議を開いた。皇居での宮中晩さん会に出席するため、夕方に一時中断し、25日未明に再開する予定だったが、実務者同士が話し合うのみで、閣僚協議は開かれなかった。

日本はコメや麦、牛・豚肉、砂糖、乳製品の農産品を重要5項目として関税を守ることを主張してきた。米国は原則すべての品目の関税をなくすことを要求し、自動車分野でも日本市場で米国車を売りやすくする規制緩和を求めてきた。一定の歩み寄りはあったが、双方の隔たりは埋まらず「一つとして完全にセット(合意)ということはない」(甘利氏)形で協議は終了した。

特に日米が対立するのは豚肉の関税と自動車分野だ。日本は国内の養豚業者を守るため、安い輸入肉ほど高い関税がかかる制度をもうけている。日本側は1キログラム64円程度を下回る安い豚肉の関税を4分の1以下に引き下げる譲歩案を検討してきたが、米国側はより厳しい要求をしているとされ、協議が難航したもようだ。

自動車では米国が日本市場で米国車をそのまま売れるよう、安全や環境分野の規制を緩める措置を求めている。日本側は強く反発しており、対立は解消できなかったとみられる。

今後、日米は実務者同士の協議で改めて着地点を探る見通し。甘利氏はTPP交渉全体について、「ほかの参加国との協議を日米が連携して加速していく」と説明した。ただ、TPP参加12カ国合計の国内総生産(GDP)の8割を占める日米の協議が決着できなかったことで、全体交渉の日程も遅れは必至だ。

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