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電力需給に危機感をもち夏の節電継続を

電力各社によると、今年夏の電力需給は昨年より厳しくなる。ピーク時の需要に対する供給余力は全国で4.6%と、昨夏より1.6ポイント悪化する。関西電力と九州電力は特に厳しく、両社は東京電力から融通を受けて安定供給の目安になる3%を確保するという。

昨夏は運転していた関電大飯原子力発電所が止まって原発の稼働がゼロになり、電力の供給不安はなお拭えない。家庭や企業の節電はまだ緩められず、電力会社や政府が引き続き節電を呼び掛けることは欠かせない。

景気が上向き、地域によっては電力需要の増加が予想されている。東日本大震災から4度目の夏となり、国民に「節電疲れ」が広がったり、大規模停電が起きなかった安心感から節電をやめる人が増えたりすることも心配だ。

電気は足りていると過信せず、危機感をもって節電を続けられるよう、電力会社や政府は分かりやすい情報発信に努めてほしい。冷房の設定温度を上げる、人がいない部屋では照明を切る、始業時刻を早めるなど、これまでの対策を続けるよう呼び掛けるべきだ。

需給が厳しい西日本では追加的な節電策が必要になるかもしれない。政府は5月中に夏の電力需給対策をまとめる。経済活動を萎縮させないように企業や家庭に自発的な節電をどう促すか。具体的な節電メニューを示してほしい。

震災後、電力各社は老朽化した火力発電所を稼働させ、点検も延ばしている。不測の事故が起きれば大規模停電につながるリスクは拭えない。そうした状況を国民に知らせることも大事だ。

来年以降を見据え、電力業界は地域をまたいで電気を融通する能力の拡充を急ぐべきだ。周波数50ヘルツの東日本と60ヘルツの西日本の間の変換設備は大規模発電所1基分の120万キロワットしかない。震災を教訓に電力業界は2020年度までに210万キロワットに増強する計画だが、これを前倒しできないか。

広域的な送電網の整備は、電力市場を自由化して多くの新規事業者が送電線に接続しやすくしたり、風力や地熱発電などを伸ばしたりするためにも重要だ。

電力の安定供給を確保するには原発の再稼働は欠かせない。原子力規制委員会は科学的な見地から原発の安全審査を進めている。電力事情を理由に審査を急ぐよう圧力をかけるのは筋違いだが、規制委は迅速に審査してほしい。

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