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G7の警告をロシアは真摯に受け止めよ

日米欧の主要7カ国(G7)がオランダで緊急首脳会議を開き、ロシアが議長国を務める予定だった6月のソチでの主要8カ国(G8)首脳会議への不参加を決めた。ロシアはG7首脳の警告を真摯に受け止め、事態をさらに悪化させる行動を厳に慎むべきだ。

G7がまとめた首脳宣言は、武力を背景にウクライナ南部のクリミア半島の編入を強行するロシアの行動を「違法」と非難し、承認しないと表明した。ロシアの今後の対応次第では、さらなる制裁強化も辞さない覚悟も示した。

G8の枠組みからロシアをどこまで除外するかは、首脳会議で意見が割れたという。永久追放の極論もあったようだが、ロシアが方針を変更し「意味のある議論ができる環境」に戻るまで参加を停止することとした。

対ロ圧力の度合いで日米欧の姿勢に濃淡があった面も否定できないが、ロシアに強硬な行動の撤回を促し、状況緩和に向けた対話の余地を残したといえるだろう。

ロシアは1998年にG8の完全な一員となった。もともとは91年、当時のソ連のゴルバチョフ大統領を招いて「G7プラス1」会合を開いたのがきっかけだ。冷戦の終結を受け、ソ連も含めて冷戦後の国際秩序づくりを主導していこうという趣旨だった。ソ連崩壊後はロシアがその役割を担った。

G8は世界の平和と安全に責任を持つ大国の枠組みだ。ロシアは一時的な参加停止を大きな痛みと感じていないかもしれないが、冷戦後の国際秩序を大きく揺るがし、一歩ずつ築いてきた責任ある大国の地位と信認を捨て、国際的な孤立への道を歩もうとしている。その自覚はあるのだろうか。

G8に復帰する意思が少しでもあるのなら、G7の警告に今度こそ耳を傾けるべきだ。強硬な行動を直ちに控え、ロシアにとっても地政学的に重要なウクライナの安定に向け、日米欧と協調して取り組んでいく必要がある。

安倍晋三首相は首脳会議で「力を背景にした現状変更は断固許すことができない」と主張した。中国の海洋進出などの脅威を踏まえれば、大国の身勝手な振る舞いは決して放置できない。

同時に長期的にみれば、日ロの関係は北方領土問題を解決し、中国の軍事的な台頭をけん制するうえで重要だ。今後もロシアとの対話のパイプは閉ざさず、粘り強く説得していくべきだろう。

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