安倍政権は丁寧な意思決定を心がけよ
後半国会が週明けから始まる。最大の政治課題は集団的自衛権の行使に関する憲法解釈の変更の是非だ。日本の将来にかかわる大きな決断になる。安倍政権は多くの国民の理解を得るべく丁寧な意思決定を心がけてもらいたい。
自民党は3月中に集団的自衛権を論議する総裁直属の機関を設立し、党所属の全議員が参加できるようにする。公明党はすでに勉強会を立ち上げた。自公は並行して与党同士の意見交換も進める方針であり、話し合いの土俵が整う。
中国の海洋進出や北朝鮮の挑発姿勢など東アジアの不安定な安保環境を考えれば、日米同盟の連携強化を急がねばならない。
日本は集団的自衛権を保持するが、その行使はできないという従来の憲法解釈では対応できない事態が起きることも予想される。過去に政府が解釈を改めた事例はあり、時代の変化に即した見直しは欠かせない。
新機関設立に先立ち、自民党が総務懇談会を開き自由な意見交換をしたところ、憲法解釈の変更への慎重意見が相次いだ。
ただ、子細に発言を読み直すと「解釈変更に絶対反対」という声は少数だった。むしろ、自分たちが関われないまま、官邸主導でものごとが進むことへの不安感や抵抗感の表明に力点があるようだ。議論を尽くせば、こうした不満は解消されるはずだ。
部会―政調会―総務会とボトムアップしていく自民党の伝統的な意思決定は時間がかかり、いまの時代にそぐわない面はある。さりとて安倍政権にありがちな官邸主導一辺倒のものの決め方も決して褒められたものではない。
政府・与党は週明けに決めるはずだった武器輸出三原則の見直しについて「与党の党内手続きに時間をかける」として最終決定を数日遅らせる方向だ。党内の理解が深まれば、運用段階になってから異論が出ることもなかろう。
同じことは集団的自衛権だけでなく、教育委員会の制度改革など後半国会の他の課題にも当てはまる。さまざまな意見に耳を傾けるのが民主主義だ。与党がまとまればさらに野党との接点を探り、より幅広い合意にこぎ着ける努力を惜しんではならない。
そうなれば野党も反対のための反対では済むまい。与野党が互いに案を提示し、「よりまし」に向けて大胆に折り合う。そんな建設的な国会論議を期待したい。











