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エウレカの確率 石川智健著

行動経済学が推理に挑む

(講談社・1500円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

連続殺人事件解決の切り札として警察が採用したものは――。それは、行動経済学。

警察小説にまた新たな新趣向が加わった。奇人名探偵は行動経済学者。相棒には、ストレスでカウンセリングを受けている若き女刑事。ライバルには、本命のプロファイラー。キャラの配置は、まず申し分なく手堅い。

行動経済学なるものが、はたしてミステリーのエンジンとして有効なのか。読みはじめると、面倒くさそうに思えたルール説明のウンチクが、意外と(?)面白い。これをスルーしても成り立っているところが、さらに面白いけれど。

事件はいったん、プロファイラーによる捜査方針で、サイコキラーを逮捕して解決。さて、そこから二段三段とヤマがある。予想のつく展開もあり、つかない展開もあり。愉(たの)しませてくれる。

パッケージは警察小説、本体の論理的装飾は新本格の仕様。日常言葉を耳慣れない概念でいいかえて、読者に「挑戦」する。意外な犯人は、リスク愛好型なのか、リスク回避型なのか。――というのが一例。要するに、ギャンブル好きかどうかの仕分けである。

★★★★

(評論家 野崎六助)

[日本経済新聞夕刊2014年3月19日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守

著者:石川 智健
出版:講談社
価格:1,575円(税込み)

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