高知の外食、ココがお薦め 「地宝創造」

2014/3/15付
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高知県がカツオのタタキやユズなど地元の食に焦点を当てた観光振興に取り組んでいる。第1弾として、観光客に推薦する飲食店を投票で決める「県民総選挙」を実施。選ばれた店を軸にパンフレットや旅行商品を企画するなど、全国にアピールする戦略だ。坂本龍馬に代表される歴史、四万十川などの自然と並ぶ柱に育てていく。

総選挙ではカツオのわら焼きなど、オススメの54店が選ばれた(9日、高知市)

店舗ツアー提案

今月9日、県民総選挙の選抜店舗発表会が高知市で開かれた。昨年12月25日から翌1月20日まで投票を実施。県を7エリアに分け、地区ごとの上位3~25店を順不同で紹介、各地区の1位と総合1位を決めた。

総合1位は高知市内の人気飲食施設「ひろめ市場」でカツオの藁(わら)焼きを実演販売している「藁焼きたたき 明神丸」。このほかに53店を選んだ。県が4月以降にパンフでPRするほか、旅行会社に選抜店舗巡りなどの企画を提案し、認知度を高める。

「総選挙は県民が観光客に薦める店を決める全国初の試み。今後の観光振興の軸として全国に発信していきたい」。尾崎正直知事は強調した。県は2014年度の観光プロモーションを「リョーマの休日~高知家の食卓~」と銘打ち、初めて食を前面に押し出す。

総選挙には「県が主導する事業なのか」「店舗間の格差が生じる」などの声もあった。それでも取り組んだ背景には「誘致競争は激しく、他の都道府県が手がけていない目玉が必要」(尾崎知事)との危機感がある。

尾崎知事は1期目から観光を重視してきた。09年度に観光部を観光振興部に改め、産業として振興を目指す姿勢を打ち出した。09年度まで300万人台前半で推移していた観光入り込み客数を、10年度はNHK大河ドラマ「龍馬伝」に合わせたキャンペーンで過去最高の435万人に増やした。13年度も407万人と2番目の水準だった。

ただ、この水準を保つのは簡単ではない。県は21年度の入り込み客数をピーク並みの435万人、観光消費額は12年度比30%増の1300億円以上にすることを目指す。久保博道観光振興部長は「これまでの売りだった歴史と自然だけでは達成できない」とみる。

1次産業活性化

食をテーマにした振興策が成功すれば、特産品や加工食品などの販売が伸び、第1次産業の活性化にもつながる。地元の観光関連会社幹部は「北海道に勤務していたことがあるが、種類が違うだけで、劣っていると感じたことはない」と高知の食の競争力に自信を見せる。

もっとも、現状は「龍馬らにゆかりのある桂浜や高知城目当てに来ても、グルメが目的の観光客はそれほど多くない」(観光政策課)。尾崎知事も「食を売りにする地域は多く、勝ち抜くのは容易ではない」とみる。県民総選挙をきっかけに地元の食の魅力を全国に伝えることができるか。これまで以上に官民を挙げた取り組みが求められる。

(高知支局長 古宇田光敏)

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