星座と文学 福永信著 エッセイ集、企画が満載

2014/2/28付
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(メディア総合研究所・1600円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

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福永信は、いまいちばん新作を待っている作家の一人だ。彼の書く小説は予想外のところからやって来る。面白い。

そんな小説家がエッセイ集を出した。この10年の間に彼が書いた、小説以外の文章が詰まっている。このエッセイ集を読むと、彼がいかに美術に親しんでいるかがよくわかる。

面白い企画がこの本のメイン。ひとつは、「現地集合!! 福永信と行く美術館」という新聞連載企画で、福永が眉村卓や鷲田清一、坪内稔典らと待ち合わせて、展示を観(み)ながら、あれこれ語るというもの。

もうひとつは、「福永信の京風対談」というタイトルがついていて、こちらはひたすら無言で筆談をする、という企画なのだ。柴崎友香、長嶋有、青木淳悟といった作家を向こうにまわして、筆談は、その人物の意外な側面を描き出す。

筆談を終えた後、福永はその人物について一言付しているのだが、たとえば青木淳悟の小説について、こう書く。「青木淳悟さんは指揮者みたいな人だ。ご本人の顔はその作品からはうかがわれない。でも、確実にいる。しかも真ん中に、いる」。至言である。

★★★★

(批評家 陣野俊史)

[日本経済新聞夕刊2014年2月26日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

星座と文学

著者:福永 信
出版:メディア総合研究所
価格:1,680円(税込み)

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