甘すぎる東電の汚染水対策

2014/2/22付
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東京電力・福島第1原子力発電所の敷地内のタンクから高濃度の汚染水がまた漏れた。タンクを囲む堰(せき)の外に100トンが漏れ、敷地が放射性物質で汚染された。昨年8月にも300トンが漏れ、それに次ぐ大量漏出だ。

今回は配管の弁が開きっぱなしになり、タンクが満杯になってあふれた。水位が高いことを示す警報が出ていたが、計器の異常と判断し、適切に対応しなかった。

昨年の大量漏れは、溶接していないタンクに隙間ができたことが原因だった。東電は前回の事故を踏まえ、タンクの巡回点検を増やすなど再発防止策を打ったはずだ。しかし異なる事態や漏れ方も想定して多面的に対策を検討したのか、疑わざるを得ない。

徹底した原因究明と対策の見直しは不可欠だ。東電は4月に汚染水対策や廃炉を担う部門を社内分社する。それを待たずに再発防止策を練り直し、新組織の陣容を強化してすみやかに実施すべきだ。

汚染水は高濃度の放射性ストロンチウムなどを含んでいる。タンクは山側にあり、海には流れ出なかったという。

だが海への流出を防げばすむ問題ではない。今回の漏れで870平方メートルの水たまりができ、土壌も汚染された。東電は土を取り除くというが、汚染水漏れがたび重なれば作業環境が悪化し、廃炉にとって重大な支障になる。

東電はこうした事態をもっと深刻に受け止めるべきだ。同型タンクは約350基あり、頑丈なタンクへの移し替えはこれからだ。これを急ぐべきだ。汚染水浄化設備の着実な稼働も欠かせない。

政府は昨年、汚染水対策で470億円以上の国費投入を決め、専門家組織を設けて技術的な助言にも乗り出した。だが国が机上で対策を練っても、有効な手立てになるとは限らない。

現場の実態をよく踏まえ、政府も責任をもって実効性の高い支援策を考えてほしい。汚染水漏れがなお続くようなら、国が側面支援するだけではすまなくなる。

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