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太陽光発電の持続的な拡大へ制度を正せ

2014/2/19付
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 太陽光でつくった電気を電力会社が買い取る制度をめぐり、国から認定を受けながら発電の実態が不明な事業者について、経済産業省が認定取り消しの検討を始めた。対象は672件にのぼる。

 指導を超える厳しい措置だが、この制度が一般の家庭や企業の負担によって成り立っていることを考えれば、認定取り消しは当然だろう。同時に、この問題は制度の不備を浮き彫りにした。太陽光発電を持続的に伸ばしていくため、審査を厳格化するなど運用を抜本的に見直すべきだ。

 この制度は発電設備を設けた企業や家庭が一定の利益を得られるようにし、導入を後押しする。2012年7月の開始時から13年3月末までに44万件が認定された。

 だが経産省の調べでは、この期間に認定を得たのに発電していない事業が4699件あった。うち571件は土地や設備がなく、調査に回答しなかった101件とあわせ実態が不明な事業だった。

 12年度の買い取り価格は1キロワット時40円(税抜き)と、事業者に有利に定められた。買い取り価格が高いうちに認定だけ受け、太陽光パネルの値下がりを待って利益のかさ上げを狙ったり、発電の権利だけ売買したりする事業者がいるとみられる。経産省は悪質な事業者の認定を取り消すという。

 この制度では電力会社が事業者に支払った分は一般の電気料金に上乗せされている。事業者が不当な利益を得れば、被害を受けるのは消費者だ。実態不明な事業を放置すれば消費者の不信を招き、制度の根幹が揺らぎかねない。

 制度見直しでは審査の厳格化は避けられない。認定時に土地や設備を手当てできているか、計画が現実的かなどを国が厳しく審査すべきだ。認定後に進捗状況をチェックする仕組みも要る。

 買い取り価格を年度ごとに決める今の方式も見直すべきだ。太陽光パネルのコストは急速に下がっている。それにあわせ、たとえば半年ごとの改定を考えてもよい。

 大多数の事業者は申請通り発電している。国内の太陽光発電の能力は制度開始前の2倍に増えた。風力や地熱なども含めた買い取り制度が再生可能エネルギーの拡大へカギを握ることは間違いない。

 経産省は有識者検討会を設けて制度の見直しを始めた。審査を厳しくする一方、まじめに取り組んでいる事業者を萎縮させないルールづくりが欠かせない。

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