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日米指紋協定は厳正な運用を

日本の警察庁と米連邦捜査局(FBI)が指紋のデータベースを互いに照会し、必要に応じて犯歴などの情報を提供しあうことになった。両国政府が制度の導入に合意し、協定に署名した。

指紋の照会は現在、国際刑事警察機構(ICPO)を介してやり取りしており、回答に1~数カ月かかる。直接照会すれば結果がすぐにわかり、テロの抑止や犯罪捜査に役立つことが期待できる。

ただ国民の犯歴などを法制度が異なる他国に提供することには、本来慎重であるべきだ。政府は導入に必要な法案をいまの国会に提出する方針だが、審議の場などで制度の意義を十分に説明し、情報が漏れない仕組みを作るなど厳正な運用が求められる。

協定の対象には、テロや殺人などの重要犯罪に関与していると疑われる人物を逮捕したり、入国の際に拘束したりした場合が想定される。重大な未解決事件の現場に残された指紋も照会できる。

逮捕や拘束した人物の指紋はまず、相手国のデータベースにあるかどうかをオンラインで照会する。一致する指紋があれば、目的や必要性を説明し、情報の提供を求める。正当な照会であると判断されれば、氏名や生年月日、犯歴などが相手国から提供される。

米国は査証の申請を免除している日本以外の36の国・地域とはすでにこの協定を結んでいる。他国・地域とは捜査当局が持つすべての指紋を照会することで合意したが、日本側は逮捕者らの照会から不起訴となった人や保護処分となった少年などを除くよう求め、米側が了承したという。

照会された指紋の記録はただちに削除されるが、後から検証できるように照会の履歴は最低2年間残すことになった。制度の透明性を保つためには、こうしたルールを設けたことは妥当であろう。

両国間での運用が実際に始まるのは数年先の見通しだという。法律、システムの両面でしっかりと準備をし、厳正で効果のあがる制度にしてもらいたい。

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