東京の活力向上へ舛添氏の責務は重い

2014/2/10付
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9日投開票の東京都知事選で元厚生労働相の舛添要一氏が初当選した。新たな首都の顔、そして五輪の顔として舛添氏に課せられた責務は重い。

高い知名度と自民、公明両党の支援を背景に舛添氏は終始、選挙戦を有利に戦った。1999年に続く2度目の挑戦で、舛添氏は都知事の椅子を獲得した。

選挙戦中に実施した本紙の世論調査をみると、新知事に期待する政策として「医療・福祉」と「景気・雇用」を挙げる有権者が多かった。細川護熙元首相のように原発の是非を最大の争点に据える動きに対して、有権者は現実的な選択をしたといえよう。

舛添新知事がまず取り組まなければならない課題は、6年後に控えた五輪の準備を本格化させることだ。五輪の組織委員会は発足したものの、猪瀬直樹前知事の資金問題をきっかけとする都政の停滞で準備は遅れている。

新たに建設する11の競技施設(仮設は除く)のうち、10施設は都が整備する。資材価格の上昇や現場の人手不足で建設費は高くなっている。ロンドンなど海外の事例をみても、五輪の経費は大幅に膨らみやすい。

首都高速道路など老朽化したインフラの更新も必要になる。羽田空港の機能強化や空港と都心を結ぶアクセスの改善も必要だ。

一方で財源は限られている。五輪とそれに関連する事業のなかで何を優先すべきなのか。早急に2020年に向けた東京の都市ビジョンをつくってほしい。

五輪が開催されるころには東京は新たな局面に入る。東京でも人口が減少に転じる一方、高齢者が急速に増える。石原慎太郎元知事以降の都政では高齢者福祉の優先度は低かった。少子化対策も後手に回っていた。

都民の安心・安全を守るという意味で首都直下地震への備えも怠れない。東日本大震災の被災地への支援も都の重要な仕事だ。

厚労相を務めた舛添氏は、選挙戦を通じて全国一律の基準が自治体の足かせになっている点を強調していた。東京の活力をさらに高めるためには画一的な規制を緩めて、民間の力を引き出すことが不可欠である。

13兆円の予算を抱える東京は全国最大の自治体だ。その東京のリーダーとして、舛添氏には規制改革や地方分権の強力な旗振り役になってほしい。

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