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FX、人民元の存在感増す 主流はオフショアに

外国為替証拠金(FX)取引で人民元の存在感がじわり高まっている。昨年12月からFX取引会社のSBI FXトレードが人民元/円の通貨ペアを採用。今年1月にはアヴァトレード・ジャパンが米ドル/人民元の取り扱いを始めた。セントラル短資やサイバーエージェントFXなど他の取引大手の間でも採用の動きが広がりつつある。

FX取引でこれまで取り扱われていたのは「オンショア人民元」(CNY)。中国本土で流通する人民元だ。ただ、オンショア人民元は中国当局により自由な取引が規制されているため、FXでは現物の取引を伴わないNDF(ノンデリバラブル・フォワード)という先物取引の一種でのみ売買されていた。

市場での売買も少ないことから、一時的にスプレッドが大きく拡大したり、レートが付かなかったりする事態も多発していた。このため、取引所型FXのくりっく365では昨年11月、2011年8月から取り扱っていた人民元が上場休止となった。

最近新規採用が増えているのはそれとは別のものだ。「オフショア人民元」(CNH)と呼ばれるもので、主に香港市場で取引されている。

オフショア人民元は取引市場が整備され、ここ数年で流動性が拡大している。「常に複数の銀行からレートが提示される状況になってきた」(サイバーエージェントFX)。オフショア人民元とオンショア人民元の価格は、以前は大きく乖離(かいり)することもあったが、最近はほぼ連動しているという。

SBI証券と住信SBIネット銀行は昨年12月に、取り扱う人民元の市場をオンショアからオフショアに切り替えた。同じSBIグループに属するSBI FXトレードがオフショア人民元を新規採用したのは、これと歩調を合わせたものだ。

ただ、各社とも「まだ取引量は低調」だという。中国当局の為替政策の関係で、人民元/円の値動きは今のところ、米ドル/円との相関が非常に高い。また、中国の短期金利は先進国よりも高いが、FXのスワップポイント利回りは現状ではオンショアにせよオフショアにせよ、中国の短期金利よりも大幅に低い。

「米ドルより少額から取引できる」(SBI FXトレード)面はあるが、「現状では米ドルと比べて、個人投資家が人民元を選ぶメリットは少ないと言わざるを得ない」(サイバーエージェントFX)。採用している各社の動きは、いずれ人民元の注目度が高まるときに備えた先行投資の意味合いが強いようだ。

(日経マネー編集部)

[日本経済新聞夕刊1月29日付]

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