2019年4月24日(水)

東京の活力高める政策を競う都知事選に

2014/1/16付
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2月9日投開票の東京都知事選の立候補者がほぼ出そろったようだ。6年後の五輪開催を控えた重要な選挙になる。

首都・東京の動向は国の行方にも影響を与える。当面、国政選挙は予定されていないだけに都知事選の結果は安倍晋三内閣に対する評価を示すものにもなるだろう。

しかし、出馬表明した候補者の主張を聞くと、気がかりな点がある。本来、都ではなく、国が権限をもつ問題を知事選の主要な争点に位置付ける動きだ。その代表例が細川護熙元首相らが掲げる「脱原発」である。

東京は電力の最大の消費地だ。その東京が再生エネルギーの普及などに取り組み、電力の自給率を高めることは危機管理の面でも必要だろう。東京電力の第4位の株主として、経営動向や電力改革に注文をつけることも大事だ。

しかし、都知事に原発政策を決める権限はない。その東京で原発を最大の争点に据えることは適切なのだろうか。掛け声だけで具体的な道筋を欠いていては有権者に誤解を与えるだけだ。

細川氏を支持する小泉純一郎元首相のように「原発ゼロか否かの争い」といった単純な議論はもっとおかしい。都政には他にも様々な課題があるからだ。

新たな知事の役割はまず、五輪の準備を着実に進めることだ。競技施設の建設費は資材価格の上昇や現場の人手不足で膨らんでいる。現行案のままでは都財政はひっ迫しかねない。老朽化したインフラの更新も避けられない。

五輪が開催されるころには東京の人口も減少に転じる。そのなかで日本をけん引する東京の活力をどのように高めるのかを聞きたい。若年者の失業率は今でも高いので雇用対策も必要だ。

安全・安心な街づくりも重要なテーマだ。今後、都内では高齢者が急速に増えるが、介護施設の整備は遅れているし、首都直下地震への備えも心もとない。

猪瀬直樹前知事が徳洲会からの資金提供問題で辞任したこともあって、「政治とカネ」も争点になる。細川氏は東京佐川急便からの借り入れ問題で首相を辞めたが、当時、十分な説明をしていない。

都知事選で幅広く論争することは望ましいが、「東京から日本を変える」などといった抽象論だけでは物足りない。舛添要一元厚生労働相ら各候補者にはもっと具体的な政策で競い合ってほしい。

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