春秋

2014/1/8付
保存
共有
印刷
その他

「日本語で花とはかならずしも英語のflowerを意味しない」。詩人の高橋睦郎さんが近著「歳時記百話」でこう述べている。中世このかた、生け花で芯になるのは松。つまり日本では松こそが花の中の花なのだという。新年に歳(とし)の神を迎えるためにも欠かせぬ存在だ。

▼なぜ松がそんなに大切かといえば、歳の神は海のかなたから訪れるから海岸に多い松がそれにふさわしいと考えられた、とこれも高橋さんの本にある。神を待つ、ゆえにこの木がマツと呼ばれるようになったともいう。そういうありがたい松飾りもそろそろ取り外した家が多いだろう。松の内が過ぎて、正月気分も終わる。

▼これから待ち遠しいのは差し当たってはソチ五輪だ。冬の大会ならではの凜冽(りんれつ)の気がテレビ越しに伝わってきて声援にも熱が入ろう。もっともロシアでは年末にテロが続発し、五輪会場周辺も最大級の警備で固めるらしい。加えてこの国には欧米などから人権問題を憂える声が絶えず、不安もいろいろ募る開幕待ちである。

▼さてサラリーマンの待望久しいのは春の賃金アップだろう。きのう安倍首相は消費増税の悪影響をかわせるかどうかは「4月の賃上げが勝負だ」と語って企業側にハッパをかけた。アベノミクスの成否この一戦にあり。焦る気持ちはわかるが政府が民間の賃金決定に深入りするのは筋違いだ。経営者の判断を待つしかない。

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]