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中央環状線、外環道と圏央道の3環状道路、なお難航?

政府が5日にまとめた5兆円超の経済対策では首都圏の3環状道路の重点的な整備が盛り込まれた。2020年の東京五輪開催を契機としたインフラ整備に向けた起爆剤になると期待する声が多い。ただ、用地取得の難航などで、現状でも予定通り進んでいない路線がある。住民の理解が必要なだけに、首都機能の強化には課題も残る。

相模川沿いに走る圏央道(NEXCO中日本提供)

首都高速中央環状線、東京外郭環状道路(外環道)、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の3環状道路の整備は首都圏の自治体や経済界などの期待が大きい。「経済効果が高いうえ、災害時の緊急物資の輸送など多くの役割を担う」(東京商工会議所)ためだ。都などは3環状を五輪開催までに9割完成させるのが目標だ。沿線では物流施設などの集積が進み、「大商業地との交通利便性が高まり、物流施設の需要はさらに高まる」(物流会社)という。

国の経済対策をうけ千葉県は、「予算はないよりあった方がいい。増額で建設が進む期待感はある」(道路計画課)と喜ぶ。ただ、予算が増えるだけでは整備は進まない。

「このままでは画竜点睛(がりょうてんせい)を欠く」。11月、神奈川県商工会議所連合会の佐々木謙二会頭は地元選出の菅義偉官房長官と、甘利明経済財政・再生相を訪ね、圏央道の整備促進を強く要望した。藤沢インターチェンジ(IC)―釜利谷ジャンクション(JCT)の圏央道未開通区間は、15年度の開通目標にもかかわらず用地買収が7~8割弱にとどまり、「開通時期については検討が必要」というただし書きが付く。

この区間は14年度に全線開通予定のさがみ縦貫道路と横浜の湾岸エリアを結ぶ。整備が遅れれば横浜から東名などへ抜けるルートは混雑の激しい保土ケ谷バイパス1本のまま。用地取得が済んだところから一部の工事を始めているが、トンネル区間も多くとても15年度には完成できないような状況だ。「(土地収用法に基づく)強制収用をしてほしい」との声も聞かれるが、生活環境が悪化する懸念や、多額の建設費用を投じることへの疑問など反対の声もある。

圏央道の埼玉区間は14年度中に開通予定。用地買収率は99%を超えているが、1カ所が買収できず、関東地方整備局などは土地収用法に基づく手続きを開始。同局によると、今秋に埼玉県収用委員会から、強制的な収用を認める「明渡裁決」を受けた。ただ、地権者が明け渡しに応じない可能性もあり、「(強制排除をせずにすむよう)明け渡しに応じることを祈っている」(同局)状態だ。

千葉県では圏央道の大栄JCT―松尾横芝IC間で開通のめどが立たない。すでに用地買収に向けた住民説明会を開始。ちばぎん総合研究所(千葉市)の水野創社長は「県は用地買収に向けて本腰を入れるべきだ」と求める。

都内を走る外環の大泉JCT―東名JCT区間は基本的にトンネルだ。ただ、他の道路との接続部分4カ所で必要な用地買収が、最も進んでいるところでも4割程度にとどまる。

青梅街道と接続するIC付近では「地域が分断される」など地元の反対が強い。国はこの秋から一部の土地の測量を始めたが、用地買収はこれからで「決して順調とは言えない」(国土交通省)と認める。今後、立ち退き後の生活再建策などを含め丁寧に地元と交渉を進めていく構えだ。

予算がついて買収が進んでも工事が早く進むとは限らない。首都高速の中央環状品川線のトンネル工事では地下水の出水が多発。対策工事に時間がかかるとして首都高速道路会社は4月、開通時期を今年度末から来年度末に1年延期すると発表した。

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