/

3Dが変える製造業の未来

デジタル革命がものづくりの世界にも波及してきた。デジタルデータをもとに、樹脂などを重ね塗りして立体物をつくる3次元(3D)プリンターなどが急速に進化し、用途も広がっている。

新しい波をうまく取り込めば、一部で陰りの見える国内製造業の基盤強化にもつながるだろう。

これまでも大企業の設計・製造現場では、デジタル技術の活用が一定程度進んでいたが、最近の特徴は利用者の裾野が大きく広がってきたことだ。

その1つが熟練工の不足などに直面する中小企業だ。鋳造品などを手掛けるコイワイ(神奈川県小田原市)は自動車部品の試作品づくりに3Dを導入し、コストダウンや納期短縮に成果をあげた。

「従来の工法ではとても作れない複雑な形でも、難なく造形できる」と小岩井豊己社長はデジタル技術の進歩に舌を巻く。

2つ目は医療などの非営利セクターである。東京大学は骨と同じ成分の素材を使って患部にピタリと適合する人工骨を「印刷」することで、患者の負担軽減をめざしている。

一つ一つ形の違う「多品種少量生産」はデジタル技術の得意技であり、義歯などを含めて医療分野での期待は高い。

そして3番目が個人だ。ビックカメラやヤマダ電機は一部店舗で3Dプリンターの販売を始めた。安いものなら、価格が10万円台まで低下し、個人でも手の届くところまできた。

世界に目を転じれば、この分野で先行するのは米国だ。3Dプリンターの有力メーカーを擁し、さらに多数のベンチャー企業を輩出しつつある。技術を利用する側も積極的で、ゼネラル・エレクトリックはジェットエンジンや画像診断装置の部品を3Dで「印刷」する目標を掲げている。

日本の製造業としても、手をこまぬいているわけにはいかない。デジタル技術と従来型のものづくりの強みを融合して、競争力に磨きをかけるときである。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン