2018年12月16日(日)

近畿の自治体、AR(拡張現実)の活用広がる 広報や観光に

2013/11/23付
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広報や地元のPRにAR(拡張現実)技術を活用する近畿の自治体が増えている。大阪府や同府豊中市は無料アプリをダウンロードしたスマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)を広報紙・誌にかざすと、動画が見られるサービスを開始。吹田市はイメージキャラクターのPRに使う。若者の注目を集めやすいと、導入に踏み切る自治体が広がる。

豊中市の広報誌にARアプリをダウンロードした端末をかざすと動画が見られる

豊中市は広報誌「広報とよなか」の9月号に掲載した救命救急の特集にARを導入した。アプリをダウンロードしたスマホなどを誌面の写真にかざすと、胸骨圧迫による心肺蘇生法や救命講習を受けた市民のインタビューの動画が見られる。

市は「1分間に100回のテンポで胸部を圧迫する様子などを伝えやすいと考えARを活用した」(広報広聴課)と導入の理由を説明する。市内全戸と事業所に約19万部を配布。市民からは「分かりやすく勉強になった」と好評で、来年1月号の音楽特集では演奏風景をARで提供する。広報誌での活用はまだ珍しく、北海道から九州まで各地の自治体から問い合わせがあるという。

大阪府は11月1日に発行した広報紙「府政だより」(378号)でARを試行した。地元の農林水産品をアピールする大阪産(もん)特別賞を紹介する動画を流す。「府政だよりの読者層を広げたい」(広報広聴課)と、今後も活用していく。

吹田市はアプリをダウンロードしたスマホなどをかざすと、市のイメージキャラクター「すいたん」の立体画像やコメントが浮かぶ名刺を約1300枚作成し、市民らに無料配布した。10月19日からの1カ月間で53件のダウンロードがあった。

兵庫県姫路市は姫路城周辺4カ所で写真を撮ると市のイメージキャラクター「しろまるひめ」が写り込むARアプリの配信を昨年11月末に始め、今年10月末までに468件のダウンロードがあった。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が来年放映になるのに合わせ、市や民間の協議会はARでのPRも検討している。

近畿以外ではARを防災に活用する例もある。神奈川県茅ケ崎市は東京大学などと共同でARアプリ「天サイ!まなぶくん 茅ケ崎版」を開発した。全地球測位システム(GPS)と連動して実際の風景に重ね合わせて浸水の深さを表示したり、地域の火災危険度を色分けで示したりして、災害の危険性を視覚で訴えられるようにしている。

ARは端末のカメラの映像にCG(コンピューターグラフィックス)などのデジタル情報を重ね合わせる技術。企業の販売促進や観光案内から利用が始まり、用途が広がっている。ARによる動画などを見るアプリは各自治体で異なり、適合したアプリをダウンロードする必要がある。

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