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幅広い品目で物価上昇(日銀総裁会見要旨)

 きょうの決定内容について説明を。

 マネタリーベース(資金供給量)が年約60兆~70兆円相当増加するよう金融市場調節を行う方針を維持すると全員一致で決定。資産買い入れもこれまでの買い入れ方針を継続する。

 3委員が展望リポートに反対した点は。

 佐藤、木内委員は前回も「見通し期間の後半にかけて2%程度に達する可能性が高い」という記述に反対していた。今回も同様だ。

展望リポートは従来に比べると相当わかりやすくなったとは思うが、白井委員はよりわかりやすくしたほうがいいのではないかと、具体的な提案があった。下振れ要因として新しいリスク要因を加えるということではなく、より注目していく必要があるという意見だ。

 米国経済や世界経済をどうみるか。

 米経済は個人消費をはじめ民間需要は堅調で、全体として緩やかな回復基調が続いている。財政協議が難航し政府機関の一部が閉鎖されたが、その後協議が進展し債務支払いの遅延も回避された。経済への影響は小幅で一時的なものにとどまった公算が大きい。先行きは、緩和的な金融環境が維持され、財政面からの下押し圧力が次第に和らぐことで、回復テンポが徐々に速まっていくとみている。

日本は春にみていたよりも外需が弱め、内需が強めに出ているが、今後、世界経済が悪くなっていくようなシナリオは描いていない。海外経済は緩やかに回復し、それに伴い輸出も緩やかに回復していくとみている。

 円高修正が止まった後の物価見通しは。

 為替や国際商品市況の影響で輸入物価の高騰が消費者物価に影響していたが、最近は食品やエネルギーを除いた「コアコア」の物価も(前年比で)ゼロまできている。今後、堅調な内需や潜在成長率を上回る成長が続くと需給ギャップが縮小し、いずれプラスになる。消費財の幅広い品目で次第に物価が上がる。

 賃上げの動きは今後も広がるか。

 企業の収益が大幅に改善している。物価も幅広い商品に改善の動きがみられているし、労働市場は引き締まっている。賃金を引き上げる要素になってくるだろう。有効求人倍率や失業率も引き続き改善し、賃上げにプラスの影響を及ぼす。政労使会議では経済界からも賃上げに前向きな発言が出ている。今後賃金の上昇が見込める。

 緩和の狙いの一つである資産配分の分散は進んでいない。

 国内銀行、特に大手行は相当大幅に国債保有を減らし、株式への投資を増加させるなどしている。銀行貸し出しは大手行だけでなく全体として前年比2%台前半程度で増加し、ある程度の分散は進んでいる。時間をかけて効果が出てくる。長期の資産保有をする保険会社や年金などでも、中長期的に新しい金融環境に適応していく。

 2014年4月の消費増税による景気下振れリスクは低下したか。

 消費増税だけを取り出せないが、14年度の成長見通しが0.2ポイントの上方修正になったのは、景気腰折れリスクが小さくなったということだ。

物価は見通し期間の後半、具体的には14年度の終わりごろから15年度にかけて2%程度に達する。なだらかな見通しでは15年度の真ん中か前半かその辺だ。前回と変わったところはない。

上下双方向のリスク要因を詳細に検討しており、特に下方リスクを軽くみてはいない。政策委員の見通しの分布もリスク要因は実質国内総生産(GDP)は上下双方向にバランスしているし、消費者物価指数もおおむねバランスしている。

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