2019年1月24日(木)

自民党の右バネが心配だ

2013/10/30付
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自民党は先祖返りを始めていないか。そんな心配をしてしまうほど保守派の活動が活発だ。最高裁判決に公然と異を唱えるなどやや節度に欠ける発言も見聞きする。あまり右バネが働いては内外に無用なあつれきを生みかねない。

保守派が目下の標的にしているのは、最高裁が違憲判決を下した婚外子の相続権問題だ。政府は嫡出子との格差解消のため、民法改正に動き出した。だが、保守派は「結婚せずに出産する女性が増えたら、家族制度を揺るがす」と阻止の構えだ。

憲法改正に必要な手続きを定めた国民投票法の改正案づくりも保守派の抵抗で与党内の調整に手間取っている。保守派は公務員に政治活動の自由を与えることに反対しているほか、同法が18歳から投票権を認めていることにも不満を示している。

経済政策では一般用医薬品(大衆薬)のネット販売の自由化に反対し、タクシー台数の規制強化を求めるのは保守派の議員が多い。政官業が手を携えて既得権益を守る自民党に戻るのだろうか。

安倍晋三首相が会長を務める保守派の集まり「創生日本」は約半年ぶりに総会を開いた。事務局によると、昨年の衆院選や今年の参院選で初当選した自民党議員でこの半年の間に48人が新たに会員になった。

創生日本の幹部の多くは首相の靖国神社参拝に期待する。この時期に総会を開いたのも、首相が靖国の秋の例大祭に足を運ばなかったことへの間接的な不満の表明という側面もあったようだ。

首相は第1次政権時に靖国参拝しなかったことを「痛恨の極み」と発言しつつも、総合的に判断して第2次政権でも参拝を見送ってきた。首相を支えるべき身内が圧力をかけすぎるのは好ましいことではない。

有権者は何を望んで自民党に政権を託したのか。日本経済はまだ回復への緒についたばかりだ。政策の優先順位を間違わない政権運営をしてもらいたい。

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