/

春秋

「エースをねらえ!」「クレヨンしんちゃん」「ルパン三世」「らき☆すた」。これら人気の高い漫画やアニメの共通点は何か。ヒントは地名。主人公や主要な人物が住んでいたり、物語の主舞台となったり。何らかの形で、すべての作品に「埼玉県」が登場するのだ。

▼郊外に住む作家が描き、やはり郊外の若者が楽しむ。そうした現代文化ならではの消費事情も背景にありそうだ。ともあれ、いま、舞台となった県内のごく普通の街に、全国からファンが訪れるという現象が広がっている。ある作品の舞台になった神社では、正月三が日の初詣客がアニメ放映前に比べ5倍に増えたそうだ。

▼作品の舞台を訪れる行為をファンは「聖地巡礼」と呼ぶ。本来は宗教の聖地を訪れる旅を指す言葉だ。社会学者の鈴木謙介氏は近著「ウェブ社会のゆくえ」で両者の類似を指摘する。大勢の人が訪れ、普通の街が特別な場所になる。店が並び、地元民とよそ者が交流する。やがて地域が独自の魅力を獲得するというわけだ。

▼先日、埼玉県自ら「アニ玉祭」なる催しを開き、雨の中で6万人を集めた。作品ゆかりの街々の紹介に声優ショー、仮装、アニメ絵で飾った愛車コンテストなどなど。全国から人を呼べる史跡や名勝に乏しいとの危機感が「アニメの県」との売り出し方を生んだ。伝統がないなら自分たちで作ろう。そんな心意気も感じる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン