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ヘイトスピーチ戒めた判決

どのような主張があっても、特定の国籍や民族への差別、憎しみをあおるような行為は人種差別にあたる。街頭デモなどで問題になっているヘイトスピーチ(憎悪表現)について、損害賠償を命じる初めての判決があった。

京都市内にある朝鮮学校が、2009年から翌年にかけて、学校の周辺で「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の街頭宣伝活動を受け授業を妨害されたとして、裁判に訴えた。学校側は、在特会側がヘイトスピーチを繰り返したと指摘していた。

これについて京都地裁は、在特会側の一連の行為が「人種差別撤廃条約で禁止した人種差別に当たり、違法だ」と認定し、学校周辺での街宣を禁じる判決を言い渡した。こうした裁判では異例となる約1200万円の高額な損害賠償の支払いも命じた。

判決によると、在特会側は朝鮮学校を「日本からたたき出せ」「ぶっ壊せ」などと拡声器で繰り返したという。こうした行為は社会一般の感覚からみても、妥当なものとはいえまい。

裁判では、学校に対する計3回の街宣が問題になった。このため判決は「児童を怖がらせ、授業を困難にした」点を重く見た。

ヘイトスピーチはいま、東京や大阪など街中のデモで繰り返されている。今回の判決がこうした動きにどのような影響を与えるかはわからないが、侮蔑的、差別的な言動を厳に戒めた判決の意味を社会全体で受け止めるべきだ。

対立をあおるような手法が、広く共感を得ることはないだろう。むしろ、憎悪が憎悪を呼ぶ悪循環に陥りかねない。相手の立場をも理解したうえで、批判すべきは冷静に批判する。民主主義の基本をいま一度、確認したい。

ヘイトスピーチをただちに処罰できるよう、法律で規制すべきだとする指摘もある。しかしこれは、まさに表現の自由との関係で議論のあるところだ。差別や偏見を許さず社会の力でなくしていくべきであろう。

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