2019年9月18日(水)

中国の針路占う上海「試験区」

2013/10/6付
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中国共産党政権は先月末、上海に「自由貿易試験区」を設けた。サービス産業を中心に規制を緩和し、経済発展の新たな原動力を探る狙いだ。質の高い成長への転換を迫られる中国経済の針路にかかわる取り組みで、どこまで大胆な改革に踏み切るか注目したい。

上海試験区の特徴の一つは「ネガティブリスト」による管理方式の導入だ。あらかじめ当局が定めた禁止事項に該当しなければ自由に活動できる、という手法で、当局が関与できる範囲を前もって限定してしまうわけだ。

一党独裁体制とはかみ合わせが悪いといえ、実際、上海の当局者の間には不安の声がある。ネガティブリスト方式が有効に機能するかどうかは、中国の経済だけでなく社会や権力のあり方にもかかわる問題といえよう。

もっとも、現時点で具体化している規制緩和は目を見張るほどではない。金利や人民元取引の自由化など金融面の改革が柱の一つになると指摘されているが、先行きは不透明だ。

フェイスブックやツイッターを解禁するとの観測も一時は浮上したが、これまでのところネット関連を含めメディア産業に対する締め付けはなお極めて厳しい。

共産党政権は今後、徐々に細則を定めて規制緩和を着実に進めていく構えだ。3年間とみられる試験期間中にどこまで踏み込めるかが問われよう。

習近平国家主席ひきいる指導部は11月に開く重要会議で、全国レベルで取り組む広い範囲の改革の見取り図を示す構えだ。上海試験区はその一端を担う。昨年秋に発足した今の指導部の改革への本気度をはかるうえでも、試験区の行方に目を凝らしたい。

新たなビジネスチャンスを探る日本企業は改革の行方を注視する必要があろう。環太平洋経済連携協定(TPP)をはじめ成長戦略の柱の一つとして外資の呼び込みに期待する日本政府も、ライバルとなる可能性のある上海試験区に無関心であってはならない。

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