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数学序説 吉田洋一、赤攝也著

発刊60年 数学嫌いこそ必読

(ちくま学芸文庫・1500円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

私はこの本を高校生のときに読んだ。今から35年も前になる。その懐かしい本が文庫になって戻ってきた。

初版が1954年に出ているので、還暦を迎える超ロングセラーだが、そこにはれっきとした理由がある。

文庫化のためのまえがきで著者はこう語っている。

「『数学嫌いの人』は、数学というものを知らないまま、勝手に嫌っている(中略)本書は『数学者』を増やすためのものではない。素人でも数学を楽しむことができることを説明したい」

巷(ちまた)にあふれる、誰に向けて書かれたのかわからない、難解きわまる数学本とは一線を画し、本書は、数学嫌いの一般読者を数学好きにするためだけに世に送り出された。それが、60年の長きにわたり読み継がれてきた理由なのだ。

本の前半では、古代の数字記法、(デカルトが発明した)座標系で幾何学の問題を「計算」する方法、微分積分法などが紹介される。

そして、本の後半になると、読者は「現代数学」の驚くべき抽象世界へ引き込まれる。

まさに孫の代まで読み継がれるべき名著である。

★★★★★

(サイエンス作家 竹内薫)

[日本経済新聞夕刊2013年10月2日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

数学序説 (ちくま学芸文庫)

著者:吉田 洋一, 赤 攝也
出版:筑摩書房
価格:1,575円(税込み)

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