2019年9月17日(火)

春秋

2013/9/24付
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「まさか」「なんとガンコな」。1995年5月31日、青島幸男東京都知事が翌年開催予定の世界都市博覧会を中止すると宣言したとき、世の中はたいへんな驚きに包まれた。たしかに中止は知事選の公約だったが準備は着々と進み、もう撤退は無理とされていたのだ。

▼あれから18年。会場になるはずだった東京臨海部が久々に熱い。2020年五輪の施設が集中するからだ。1万7000人収容の選手村、バレーボールや水泳の競技場などが誕生し、五輪後は新しい街ができるという。マンション開発にも勢いがつきそうだから都市博のかたきを五輪で、とデベロッパーの意気も高かろう。

▼先週発表された基準地価をみると、東京の土地デフレは終息の気配だ。それに加えての湾岸開発熱なのだが、さて、ここはちょっと冷静になってもいい。五輪閉幕後はマンションとして売られる運びの巨大な選手村ひとつとっても、実際にそれだけの需要があるのかどうか危ぶむ声がある。人口減少は東京でも確実に進む。

▼そういう目で五輪計画を見わたせば、新しい施設がほんとうにこの規模で必要なのかどうか気になってくる。都は新設競技場などを五輪のあとも維持していくそうだ。それは将来世代が支えなければならない。あの都市博中止は「まさか」ではあったけれど、背景には、持続可能な未来を考えはじめた社会の流れがあった。

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