休眠特許で中小企業を元気に

2013/9/22付
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取得しながら活用していない「休眠特許」が大手企業などには多い。死蔵したままでは社会の損失だ。中小企業が使えるようにして製品開発を進めやすくすれば、経済の活力向上につながる。眠れる特許の橋渡しに力を入れたい。

特許庁の調査では国内の大企業などが保有する約135万件の特許のうち、5割弱が休眠特許となっている。事業戦略の見直しで、取得した特許を生かした商品の開発を見送る例が少なくない。

一方、中小企業は、大手企業の海外生産移転による受注減を補うため、新しい分野への進出をめざす動きがみられる。新製品開発に力を入れる企業も多い。休眠特許を活用しやすくすることで、こうした取り組みを後押しできる。

大手企業の特許を中小が使う仲介役として期待したいのが自治体だ。地元企業の支援などを目的に「産業振興センター」などを置いている例も多く、こうした組織は地域の企業がどんな技術を求めているか、ニーズをつかみやすい。

たとえば川崎市産業振興財団は「知的財産コーディネータ」の職員が大手企業と中小企業の双方を訪問する。大手から外部への開放を考えている特許を聞き、使用権の契約で中小企業に助言する。富士通の特許をもとに地元企業がプリント基板の検査装置を商品化するなど、これまでに15件のライセンス契約を成立させている。

札幌市、堺市などでも中小企業と大手と結びつける事業が始まっており、こうした活動を広げたい。地域の企業の収益力が高まれば税収増にもつながる。

自治体の産業振興組織には、どんな特許が収益を生むタネになるか、目利きの力も求められる。ライフスタイルの変化など市場動向を読む力を磨いてもらいたい。

支援が手厚くなりすぎて中小企業が過保護にならないよう注意する必要もある。依存心が強まっては企業が成長力を失う。資金調達や販路開拓は企業が自力で進めるようにし、支援する側はあくまで助言役に徹してもらいたい。

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