2019年2月20日(水)

リニアの課題を克服できるか

2013/9/21付
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2027年開通予定の東京―名古屋間のリニア中央新幹線について、事業主体の東海旅客鉄道(JR東海)が駅の場所やルートを公表した。同社は国の認可を得て、来年度中にも着工する計画だ。

南アルプスを貫通して東名間をほぼ直線状に結ぶ中央リニアは、日本という国に、もう一つ新たな背骨を埋め込むような、久々の大型プロジェクトである。

まず期待したいのは経済効果だ。現在約1時間40分かかる東名間の移動が40分に縮まり、首都圏と中京圏が一体化した新たな経済圏が誕生する可能性がある。

将来は大阪まで延ばし、東阪を1時間で結ぶ。日本の大動脈である東名阪の往来が増えれば、経済は活性化するだろう。

地震や津波に強い国づくりにも寄与する。東海道新幹線と中央リニアを並行営業するので、どちらか一方が被災しても、バイパスを確保できる。世界に先駆けて長距離リニアを実用化することで、海外への展開も期待される。

だが、課題も多い。東名ルートの86%がトンネルであり、南アルプスを貫く難工事も待ち受ける。

都心部では、地下40メートル以下の「大深度地下」を活用する。地上の用地取得が要らず、建設費や工期を圧縮できる利点があるが、やはり工事はたいへんだ。

事業の採算確保も、大きな課題である。そもそも中央リニアは、総工費9兆円の巨大インフラを一民間企業のJR東海が独力でつくる異例の計画だ。人口減の進む日本で、リニアと東海道新幹線の両路線を満たす需要をどう生むのか。沿線住民の理解を得つつ、円滑に工事を進め、建設コストや工期を想定の範囲に抑えられるのか。JR東海の底力が問われる。

夢物語と思われた計画が現実に近づき、政財界などから「20年の東京五輪に間に合わせてほしい」「名阪ルートは奈良経由でなく、京都経由で」と様々な声が上がり始めた。だが、最後は投資リスクを取るJR東海の判断を優先すべきなのは言うまでもない。

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