2019年6月21日(金)

深海大戦 藤崎慎吾著 不可思議な爆発事故、真相は

2013/9/19付
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(角川書店・1800円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

(角川書店・1800円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

SFにとって「海」は「宇宙」同様、未知のフロンティアの代表格だ。著者は海洋SFでは定評があるが、この最新作は凄(すご)い。千メートル以上潜水できる深海作業用ロボット・イクチオイドとその操縦士のスリリングな活躍が、海の魅力をぞんぶんに描き出しているからだ。

舞台は、海洋漂泊民(シー・ノマッド)と呼ばれる人々が既存の国家ではなく独自の共同体を持ち、海洋資源採掘等に携わるようになった近未来。

シー・ノマッドのひとりである主人公・宗像逍(しょう)は、渥美半島沖の海洋資源メタンハイドレートの採掘現場で、シャコ型の警備用イクチオイドを操縦していたところ、とてつもなく不可思議な暴噴事故に遭遇する。

海の巨大生物の仕業か、人為的なテロか、それとも大掛かりな地殻変動か? 謎めいた爆発事故には、恐るべき真相が隠されており、宗像は後にシー・ノマッドらの研究施設に雇用され、事故の真相に迫っていく。

海洋フロンティアの最前線の知見をたっぷり盛り込み、斬新で圧倒的な筆致で読ませる傑作。

本書の読者はみな、広大で神秘的な深海世界の冒険へと解き放たれるだろう。

★★★★★

(ファンタジー評論家 小谷真理)

[日本経済新聞夕刊2013年9月18日付]

★★★★★ これを読まなくては損をする
★★★★☆ 読みごたえたっぷり、お薦め
★★★☆☆ 読みごたえあり
★★☆☆☆ 価格の価値はあり
★☆☆☆☆ 話題作だが、ピンとこなかった

深海大戦 Abyssal Wars (単行本)

著者:藤崎 慎吾
出版:角川書店
価格:1,890円(税込み)

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